限定数:500】 ギリシャ神話に登場する音楽の名手アリオンが、半馬半魚の海馬、ヒッポカンポスに助けられる場面を、リヤドロ・ハイポーセリンのアーティストたちが美しい作品に作り上げました。この作品は、フランス人画家ウイリアム・アドルフ・ブグローによる神話画『海馬に乗るアリオン(Arion on a Sea Horse)』(1855年)に発想を求めています。 リヤドロのアーティストたちは、ギリシャ神話を代表するこの詩人を美しい少年の姿として表し、彼がコリントへと帰還する時の様子を表現しました。海馬の造形には緊張感がみなぎり、海を駆ける速さまでを感じさせる、力強く、ダイナミックな構成です。 海馬にあふれる力強さとは対照的に、アリオンの表情は穏やかであり、堅琴の演奏に没頭しているようです。アリオンの白い肌と、海馬とその馬具の鮮やかな色が、静と動を表す両者のコントラストをより深く印象付ける、リヤドロ・ハイポーセリンの最高級作品にふさわしい豊かな装飾です。 本作には、海を思わせる色が多用される一方で、海馬がつける馬具の鮮やかな色合いが際立つとともに金色がアリオンの姿に高貴な印象を与えています。また、焼成を経て輝きを得るエナメルが絶妙なニュアンスを与え、色彩をより豊かにしています。ハイポーセリンのアトリエでは、常に新たな試みを模索しており、本作のために開発された紫色が、海を思わせる色彩に微妙な変化を与えています。 技術的には、独特の構図から困難が生じました。海馬の前身が構図から突出しているため、焼成時に特別な注意が必要だったのです。 アリオンの持つ竪琴にはポーセリン以外の素材が使われ、弦はメタルでできています。また、台座も本作の美しさをより際立たせるために、特別にデザインされました。

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