ジャズは、現代を語るのに欠かせない音楽。ニューオリンズの黒人音楽から生まれたシンコペーションの熱いリズムは、今の時代を特徴づける文化混交のシンボルとして、世界中で通じる言語となりました。 深夜、小さなクラブのステージで、サクソフォンが即興の柔らかなメロディーを奏でます。トランペットが、エネルギッシュで躍動的な音でそれに応え、コントラバスが刻むリズムに抗いきれず、熱狂した聴衆が自然と身体を動かし始めます。リヤドロのアーティストたちは、この『レッツ・スウィング』で、音と感覚の世界を見事に表現しました。あらゆる角度から注意深く研究された構図の中、リズムと動きに満ちたステージで演奏する3人。作品を見ているだけで音楽が聞こえてくるようです。 また、ハーモニーとコントラストに富むジャズの特徴が、作品の装飾にも表れています。真っ白なスーツが、ミュージシャンたちが座る椅子の黒っぽいエナメル、サクソフォンとトランペットを飾る金彩によく映え、優雅なコントラバスには、作品の焼成後に金属製の細い弦が張られています。 『レッツ・スウィング』は、ミュージシャンへの心からのオマージュであるとともに、音楽への愛を表現する作品でもあるのです。