動物の中で特に高貴で美しい馬は、リヤドロのアーティストたちに幾度となくインスピレーションを与えてきました。 力強く、高貴で、生気にあふれ勇敢。人々は馬の様々な気質を称えてきました。長い歴史の中で人と馬が特別な関係を築いてきたのは、馬の高貴な性格に負うところが大きいのでしょう。主人と一体感を持ち、その気持ちを察し、意図を理解する馬の能力により、人と馬の間には幾多の友情物語が生まれました。また、馬は、情緒的・精神的な困難を抱える人々の発達を助ける役割を果たすこともあります。 『親愛なる絆』は、詩的、あるいは、夢幻的な雰囲気を感じさせる作品です。本作の彫刻家はこうした雰囲気を、女性の穏やかな表情や馬をなでる優しい仕草を通じて表現しています。また、馬を解剖学的に研究した彫刻家の技量がよく活かされ、それは優美な馬の姿に反映されています。女性の愛情に応えようとするかのような、やさしい視線も印象的です。 美しい蘭の花でできた花の髪飾りも注目に価するでしょう。蘭はリヤドロの作品には珍しい花です。成形の難しい花ですが、本作では、花が大きいためさらに困難を要しました。